学校で生かす解決志向アプローチ(電子書籍版)
学校で生かす解決志向アプローチ(電子書籍版)
齋藤 正志著
¥400円(税込)
レビュー

「筆者である私は、石頭で、短気で・・・・」で始まるこの一言で、のっけから自己開示をし、自己変革を果たして行った斉藤さん特有の世界iこ引き込まれてしまった。また、カウンセリングを志すものにとって、自らの生き方を180度変革するきっかけになる人や出来事、書物との出会いが必ずあります。著者の場合、それが、M・エリクソンの著作であり、<解決志向アブローチ>であったことを知ると、私が、著者と職場で出会い、会話を交わし、彼の職場での実践に断片的に触れ、理解していだちのが、1本の筋のようなもので貫かれていたことを実感することができました。

第1章の理論研究では、日本の子どちに見る「自尊感情」の低さについて世界比較で論述されていましたが、大人の世界にも同様な傾向が指摘されており、強いストレスを抱えたまま15年以上にもわたって年間3万人以上の自殺者を生み出す原因となっている、という鋭い論点が、見て取れます。

第3章「問題解決力アップQ&A10のヒント」では、カウンセリングの切り口と言われる「リレーションづくり」をSFAにおいて著者が日常から実践されている「ラポートづくり」のノウハウを自分の豊富な経験からわかりやすく紐解いてくれています。特に、私が、心引かれたのは、10のヒントの取り組みがいずれも学校内を組織的に機能させているという点です。担任と筆者だけでなく、学校内のさまざまな立場の人材を効果的に活躍の揚を作って対応しているという点にも感心しました。

先すは、学校現場で日々奮闘されている全ての先生方に一読してほしい実践のヒントがつかみ取れる本書をお薦めしたいと思います。

50代男性教員

事例が詳しく書かれていて、解決の方法のととろが具体的で、どうアプローチすれば解決するのかというのが分かり易い。私達は、何が問題かというのを見る傾向があるが、これが彼の良さとみるという「視点を変えるJということ、同じことを繰り返しているとき、どうアプローチしていくかがよく分かった。

紹介されていた事例は児童・生徒だったので、私達がかかわっている学生(10代から50代)にはどう応用したらよいのか、大人版のようなものがあるとよいと思った。

40代、女性教員

第1章では、日本の子どもは自信が無い、自尊感情が低いと記述しであります。これまでに聞いたことがあるくらいでしたが、「自分はダメな人間だ」と感じる子が3人に2人、「自分に満足していない子」が10人に9人。アメリカや中国と比べても著しく低いとのこと。この危機的状況を私たち教師が、大人が何とかしなければと読み進めていくにしたがって切実に感じました。高校生はどうか、小中学生はどうか、外国と比べてどうか・・・と新聞記事やグラフを用いて、冷静に分析しながら、これでもかと読む側に訴えてくるので、非常に強く問題意識を持ちました。

また、今の教育現場は10年20年前に比べ大変だということは、教師だけでなく、一般の人でも知られていることです。もちろんその原因は、家庭環境の変化、社会の変化などいろいろな要素を挙げる人もいるでしょう。しかし、ここでは「自尊感情の低下」という点だけに絞って取り上げています。その方が解決の方向性がつかみやすい点、教育現場でも努力次第では向上できる可能性がある点において有効だと思いました。家庭の変化、社会の変化を改善することは、誰でも容易ではありません。もちろん、「自尊感情の高い子」にしていくことは簡単なことではないが、何とかクラスの中で、学校の中で「自分が役に立つ人間だ」と思うように、「自分に満足できる」と思うように、一人の教師として、また一人の親として心がけていくことで自尊感情を高めることができるのではないでしょうか。

ブリーフ・カウンセリング・・・これは、斎藤先生に教えてもらうまで知りませんでした。ブリーフというところがとてもいいですね。短いということ。カウンセリングは、じっくり聞き、深く理解して少しずつ回復していくという方法もあるのかもしれません。ただ、子どもは、親は、教師は、今起きている問題を少しでも早く解決したいと願っている。長期化すると問題が深刻になる場合もある。短期での解決をめざすように計画されたカウンセリング技法というのは、現場でどんどん広めていければいいと思います。解決志向アプローチは「うまくいっているなら治そうとするな」などと具体的に方法を明記してあり、すぐにでも使えそうです。

私はまだ、学校の現場では使っていませんが、我が子に試したこ左があります。寝起きの悪い息子(小学3年)。朝起こしても起こしても起きない。起きても不機嫌。感謝するどころか起こし方が嫌だとか(私もふざけ、嫌がることをしました)もう少し早く起こしてくれなどという。これは「うまくいかないなら違うことをせよ」ということだなと考えました。前日「明日からは、1回しか起こさない。それで起きなければあなたの責任よ」と宣言し、その通りにしました。緊張感を持って寝たからか、次の日はスムーズに起きました。まさに「うまくいかないなら違うことをせよ」その通りです。レベルが低すぎるかもしれませんが・・・。

また、犯人探しをしないというのはある意味衝撃的でした。何だって、原因があるから結果がある。原因があるから、問題が起こる。その原因をつかんでこそ解決の糸口が見つかると思ってきました。その原因を見つけることはない、「解決のために原因を解消する必要はない」なんて・・・!確かに、「家庭環境が複雑である」などと原因をつかんだところで、それを解消できる手立てがなければ、問題の解決はできません。ついつい教師は何が原因かそこにこだわってしまうところがあります。それよりも、「どうなりたいか」を話し合い、一緒に頑張っていくという方がはるかに前向きになれるし、解決に近くなると思います。今後の教育活動をする中で心にとめておきたいと強く思いました。

[解決の構築]の図表は、シンプルでわかりやすい、そしてどんな事例でも当てはまるというところが最大のよさだと思います。もちろんそれは、「よく観察すること」が前提ではありますが、起こっている問題を解決する指南となります。以前不登校の問題を解決するために、いろいろな本を読んだことがあります。しかし、原因や当人の性格など事例によってアプローチの仕方は様々で、結局解決の糸口は本から見つけられませんでした。本書の[解決の構築]にしたがって、YES,NOを進んでいけば、介入の仕方を正しく選択することができ、解決の方向が見つかることと思います。

問題解決カUP Q&A 10のヒントでは、10個の事例が非常に詳細に書かれています。言った言葉をそのまま書いているので、どんな介入をしたのか、子どもはどんな反応で、どう言ったのか、非常にわかりやすく助かります。また、担任や生徒指導主任、特別支援教育コーディネーターなど複数の人で協力している事例もあげられ、時としてチームで指導にあたることが効果的だと痛感しました。[9]いじめやトラブルが続くときの事例は、対策会議の内容、ロールプレイの提案の仕方、児童への働きかけ、約束、報告会・・・と順を追って丁寧に記録されていて、とても勉強になりました。ADHDの児童への対応は、今後もっと考えていかなければならないでしょう。こういった事例を具体的に挙げてもらえると、自分が対応を迫られたときにヒントになると思います。N児、グループOのその後がどうなったのか、書いていないので気になる結末ではありました。

「SFAのアプローチは、児童生徒の自尊感情を低めないので、いまの児童・生徒にマッチしています」の一文にこの本書で言いたいことがあらわれているように思いました。SFAのアプローチは、教師にとっても対応しやすく効果も得やすいため非常に有益なものだと思います。

ついつい完璧さを求めてしまい、声を荒げてしまうことがあり、「おわりに」の文にハッとしました。小さな一歩でも大きく評価する、小さな変化を評価し続けていれば、やがて大きな変化が起とらないとも限りません。本当にその通り。本書を一人でも多くの人に読んでもらい、私のように感じることができたら・・・と強く感じました。すばらしいものをありがとうございます。

30代、女性教員

学校で生かす解決志向アプローチ
はじめに2
第1章日本の子どもは自信が無い2
 自尊感情(self-esteem)って、何それ3
 日本の高校生は自信があるの?3
 日本の小・中学生は大丈夫だよね4
 一位でないと駄目なんですか、二位じゃ駄目なんですか6
 発達障害を持つ児童・生徒の場合7
 自尊感情が高い子どもが多い学級8
 自尊感情が低い子どもが多い学級9
 強い不安、悩み、ストレスを抱える大人たち10
 崖っぷちの教職員12
第2章学校で生かす解決志向アプローチ14
 荒れる学校14
 これなら明日から使える15
 犯人探しをしない17
 観察が勝負を決める18
第3章問題解決力UPQ&A10のヒント21
 まずは信頼関係づくり21
   1 子どもが不登校になったとき 22
   2 子どもを叱りすぎてしまったとき26
   3 子ども達とゆっくり向き合う時間がないとき27
   4 注意しても課題をやらないとき30
   5 「発達障害」と診断された子どもと対処するとき33
   6 忘れ物が減らないとき35
   7 担任に反発し暴言を吐くとき37
   8 生徒指導がうまくいかないとき40
   9 いじめやトラブルが続くとき41
   10 学用品を忘れても人のせいにするとき46
おわりに47

学校で生かす解決志向アプローチ(電子書籍版)
学校で生かす解決志向アプローチ(電子書籍版)
齋藤 正志著
¥400円(税込)