不妊,カウンセリング,不妊症

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不妊という状態

切実に子どもを望んでいながら妊娠しない。それが「不妊」という状態です。
ほとんどの人にとってそれは、まったく考えてもみなかった事態です。驚き、不安を抱えながら、多くの人が不妊治療に希望をたくします。
しかし、子どもができるという保証はどこにもないという現実。通院が長引くにつれて悩みも深まってきます。検査や処置に伴う苦痛、医療の管理下におかれるセックス、多額の医療費、子どもをもたないことに対する周囲の干渉や偏見。
女性として男性としての自信を失い、夫婦関係や親子関係に複雑な影を落とすこともあります。

海外の調査1)では、繰り返される治療の不成功によって30%の女性が軽度の抑うつ症状をもち、中程度から重症の抑うつ症状をもつ女性が10%を占めると報告されています。カウンセリングを申し込まれる方々においては、それよりも当然比率が高くなります。私が担当した110ケースのうち、およそ30%に当たる35人の女性が抑うつ症状に苦しんで精神科(心療内科)を受診していました2)。

1)Lok IH,LeeDT,Cheung LP,Chung WS,Lo WK,Haines CJ.:Psychiatric morbidity amongst infertile Chinese women undergoing treatment with assisted reproductive technology and the impact of treatment failure,Gynecol Obstet Invest,53(4):195-199,2002

2) 赤城惠子: : 誰にも言えなかったクライエントの思い ~ 流産、死産、多胎妊娠、卵子提供等の経験から ~, 日本生殖看護学会誌 ,ISSN 1349-2616 Vol.5 No.1 2008

喪失体験

不妊は喪失体験です。産めると思っていた自己像とからだの喪失、思い描いていた人生や家族の喪失、親から子へと受け継がれるいのちの連続性の喪失。夫婦関係の悩みや周囲の無理解なども重なれば、抑うつ状態になっても不思議ではありません。
しかも誰にも言えず、孤独に悩んでいることが多いものです。
「自分が不妊と知って、ひきこもるようになってしまった」「治療に疲れ果てた。でも子どもをあきらめられない」「やっと妊娠したけれど、流産が心配でたまらない」「治療をやめたら空虚感に悩むようになった」「不妊の悩みを整理して、子どもをもたない人生を考えていきたい」など、相談内容も多様です。

ここでは不妊をめぐるどのような悩みでも安心して語ることができます。

カウンセラーも不妊の体験者。泣いても笑っても怒っても、すべてが許される場です。クライエント中心療法を基本に次のようなスキルも用意しました。十分にご活用いただいて、大切な人生に立ち会わせていただければ幸いです。

リラクセーションとイメージ療法

不妊治療中は、妊娠を期待しては失望するという、ジェットコースターのような激しい気分の浮き沈みに翻弄されます。ストレスが蓄積され、からだもこころもコチコチになりがちです。こんなときは積極的にリラクセーションを取り入れましょう。不安と緊張を和らげ、自律神経のバランスを整え、妊娠に不可欠な内分泌系の働きを整えます。 また、妊娠しても流産が心配でたまらないときは、イメージ療法でお腹の中の赤ちゃんがすくすくと育っているイメージなどを広げてみましょう。不安と緊張をほぐして、体調を整えます。

FAP (Free from Anxiety Program :主に心的外傷の解消 )

かつての流産、掻爬手術が心の傷となっていることがあります。すると妊娠してもまた流 産するのではないかという恐怖に苦しんでしまいます。 FAP は心の傷を解消して、安心 して妊娠期間を過ごせるようサポートします。

フォーカシング

「胸のあたりがもやもや、もやもやしている。でも自分が何を感じているのかわからない」。 そんなときはそのからだの感じに照準を当てて感じ続けてみましょう。やがて自分が本当 に感じていることや願っていることが納得され、緊張から解放されます。

アサーション

「不妊の話題を持ち出すたびに夫婦の関係がぎくしゃくしてしまう」「喧嘩なんかしたくないのに、つい相手を責めて傷つけてしまう」「パートナーにこうあってほしいのに、何も言えない」そんなときは率直に爽やかに伝えるアサーション(自己表現)の方法を身につけましょう。自分の本当の気持ちや欲求に気づき、相手の心も自分の心も大切にした夫婦の対話をサポートします。 グリーフワーク (悲哀の仕事):子どもを得られなかった人のために

不妊に悩んでいるときは、「子どもができない限り、不妊の悩みは一生続く」と思い込んでしまうもの。でも、人の心は刻々と変化していきます。
不妊の体験を聴かせてください。苦しかったこと、悲しかったこと、腹立たしかったこと、怖かったこと……。思い出すと苦しくなるような出来事も、どんなに深い喪失の悲しみも、大切に語りつくしていったとき、おだやかな過去の物語となっていきます。
そして大きく成長した自分を発見することでしょう。  また、流産によって「芽生えたいのち」を失って傷ついている人が必要としているのも、 説明や励ましではなく、痛みを感じる機会をもつことであり、安心して痛みを表現できる場 です。お話を聴かせてください。その体験が言葉やイメージとなって表現されるたびに、 凍りついていた涙も溶けてあふれてくることでしょう。やがて心安らぐときが訪れます。

*カップル・カウンセリング、不妊原因をもつ男性のカウンセリング、不妊治療後に出産した女性のカウンセリングも行っています。

カウンセラーの紹介
赤城 惠子/akagi keiko
1948年生れ。20〜30代は出版社で雑誌のレイアウトに携わっていたが、不妊を経験した後に臨床心理学、カウンセリングを学び、不妊の自助グループ「フィンレージの会」の活動に参加。40代後半から「東京都不妊ホットライン」相談員、東京メンタルヘルスアカデミー・カウンセラーとして携わる一方、医療・保健関係者を対象に不妊カウンセラー養成講座を担当している。
認定心理士、心理相談員、東京メンタルヘルスアカデミー認定カウンセラー。
ご利用案内
相談日時 木曜日&土曜日 10:00〜18:00
相談時間 50分(1回)
料  金 ¥10,500
場  所 松戸カウンセリングセンター
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